なんで、スマホの夢中になってしまうのだろう?なぜ、ポテチを平らげてしまうのだろう?これらは現代人が皆抱える疑問であります。答えは激動の歴史の中にあります。なぜなら、人間の長い歴史の中で今の生活を送るようになったのはつい最近だからです。人類が生まれてから今までを1日とすると23時59分です。生き延びるための人体の構造が裏目に出ています。それでは、人類はどのようにして生き延びてきたかを見ていきましょう。
長い長い旧石器時代、人類の最重要課題は他の生き物たちと同じように生き延びることでした。生き延びるためにはご飯を食べて、猛獣から逃げて、生殖をすることです。これらにはドーパミンが深く関わっています。1つ1つ見ていきましょう。
早速皆さんに聞きたいことがあります。ある日ジョンという青年がきのみを見つけました。1つ食べて満足し、次の日見に行ったら無くなってしまいました。一方、ピーターという青年も同様にしてきのみを見つけました。しかし、1つ食べても飽き足らず、全てを食べました。さて、どちらが生き残る可能性が高いと思いますか?答えは後者です。これが現代人がポテチが止まらなくなる理由です。長い間、生き延びるために必要だった機能ですが、現代では糖尿病等の生活習慣病になってしまいます。
ご飯を満足に食べられたとしても、自分たちより大きな生物に食べられてしまってはひとたまりもありません。ここで人間が生み出した機能はストレスです。ストレスを感じると副腎からコルチゾールが分泌されて心臓の鼓動が高まり逃げる準備を整えます。一方、現代では常にストレスを感じ続けているせいで、休む暇もありません。当然、優先順位の低い、睡眠、食事、生殖は後回しになってしまうでしょう。過度な、コルチゾール分泌が進むとうつ状態になってしまう可能性もあります。誤解しないでほしいのは、うつ状態は外界のストレスから身を守ろうとする正常な機能です。
生殖も同様です。生き延びるためには生殖をする必要があり、生殖をするとドーパミンが放出されます。
ここまでで人間の活動に必要なことはドーパミンを放出することで達成してきました。これが仇になってしまうとは誰も思わなかったでしょう。現代のドーパミン放出を手助けする魔法の行動は、ご飯を食べることよりも、生殖をすることよりも、スマホを見ることです。
スマホはドーパミンを簡単に浴びることができます。ショート動画を見ればたくさんの情報が手に入ったという勘違いを引き起こし、ドーパミンが放出されるし、SNSでいいねを押されてもドーパミンを浴びることができます。人間はもともと集団で暮らす生き物であったために、周りからの評価が大事でした。つまり評価が生き延びれるかどうかに深く関わっていたのです。